2000年5月22日 大胸筋のトレーニング
ベンチ・プレスの要点はなんだろうかとずっと考えつづけていた。以前はバーを下ろす位置だと思っていた(乳首より少し上に下ろす)。その後、上から見たとき体幹と上腕が90度の角度になり、かつ、横から見たとき前腕が床に対して垂直になることだと思った。どちらも決して間違っているとは言えない。だが、正解とも言えない。なぜなら、効かないのだ、大胸筋に。
ベンチ・プレスをするといつも大胸筋がオール・アウトする前に別のところが音を上げてしまう。それは多くは三角筋であり上腕三頭筋であるが、時には腰だったり、肘や肩関節だったりする。もちろん大胸筋にも効いてはいる。翌日にも筋肉痛が残る。だが、トレーニングのときどうしても物足りなさが残る。そして、右肩関節の痛みだけが確かな感覚なのである。
右肩の状態が悪化してからはあきらめている期間が長かったが、最近はより悪化するならそれはそれでしょうがないと開き直って、とにかく効果のあるやり方を探り始めた。そして肘を開くことが要点ではないかと思い始めた。私が右肩を痛めたのは20歳の頃だから、もう13年になる。キャリアの大半はその状態でいたことになり、現実にレップの度に少し違和感があった。そのため、意識するしないを問わず、あるいは意識してストリクト・フォームを狙っていてもどこかで逃げが生じていたのではないか?
「肘を開く」というのは先に述べた「前腕が床に対して垂直になる」というのと同じことである。コンテストをあきらめてからはとくにそうだが、肩に対する恐怖があるとどうしても開かない、つまり横から見たとき肘が足のほうに下がる。現にそれのほうが肩に痛みが来ないのである。だが、大胸筋には効かない。そこで、今までの表現をあらためて「肘を開く」という表現で意識することにした。これは成功だった。結局同じことなのだが、「前腕が床に対して垂直になる」というのは客観的に見た表現で、「肘を開く」は主観的な表現である。したがって、人に説明するには前者の方が的確だが、自分で意識するには後者の方が良い。
これはベンチ・プレスに限らず、フライでも、またインクラインでもフラットでも同じである。今の今までできなかった。もっとも、肩には確実に負担になっており、今はまた軟骨が神経に障ってトレーニング自体できなくなってしまったが。