2000年6月24日 サプリメント・フーヅ

  教条的な話をするつもりはない。「サプリメント・フーヅ」が「栄養補助食品」であり、それが字義通りのものであることは言うまでもない。「魔法の薬」であるかのごとき謳い文句のものははじめからいかがわしいモノなのだ。不思議に思うのは、サプリメント・フーヅ否定論者たちの中に(その中には経験を積んだトレーニーもいる)、「魔法の薬ではない」という理由で否定する人たちがいることだ。
  考えてみればプロテインやビタミンを飲んだからと言って短期間に劇的な変化があるわけがない。普通の食品から同じだけの量を摂取すれば(そして同じだけ消化吸収できれば)結果は同じなのである。それが難しいから使うものなのだ。「使ってみたけど効果がなかった」から他人にも使うなと言える問題ではないだろう。例えば内臓の強さだとか、仕事の都合で一日何食もというわけにいかないとか、人それぞれ所与の条件が違うのだ。
  サプリメント・フーヅを使うなら、最低限の栄養学の知識が必要だ。それが無いと、なぜサプリメント・フーヅが必要なのかが分からないからである。なぜ必要なのかが分からないなら、使う必然性がない。他所様のサイトでも主張してきたが、まず食品成分表を手に入れることをお勧めする。大抵、巻末付録で栄養学の基礎が書いてある。それを踏まえた上で、自分の食生活を見直してみる。そして、例えばたんぱく質が不足しているからもっと高たんぱく食品を摂ろう、それでも限界があるからプロテインを摂ろう、という順番になる。
  続いてサプリメント・フーヅに対する知識ということになる。摂取することによってどんな効果が得られるのか、欠乏症・過剰症はどんな症状を引き起こすのか(この辺りまでは栄養学の知識であるのだが、サプリメント・フーヅの解説本からも得られる)、IOCの禁止薬物と同じ成分を含有していないか、さらには価格が妥当であるのかまでいろいろである。これらのことは本を読むなり、人に訊くなり、ネットで調べるなり、製造元・販売者に問い合わせるなどしないと分からない。
  その上で使ってみる。自分で使ってみなければ是非の判断ができない。一人々々身体や生活、トレーニングの条件、さらには求めるものが違うからであり、自分にとって効果がある、あるいは効果があったと判断したものが、自分にとって必要なサプリメント・フーヅなのである。(この場合の「効果」は健康保持や経済的な面も含んでのことになる。)