2001年7月1日 入院(1)

  皆さん、お久しぶりです。保護観察つき仮釈放となって、帰ってきました。今回からしばらくは今般の入院、手術の顛末を申し述べます。
  入院の原因となった最大のものは、19の歳にクロス・ベンチ・ダンベル・プル・オーバーで右肩を外しかかったことで、このとき医師に見せずに放置したのが間違いの始まりだった(外れたまま病院なり、骨接ぎなりに行くべきだった)。その後、右肩には常に若干の痛み(トレーニング時、特にフラット・ベンチ・プレスの時)が続いていたが、日常生活に支障をきたすようなことはなかった。それが、29歳の冬、朝起きぬけに突然電気が走り、2週間にわたって痛みのため着替えもままならない事態になった。以後、毎年冬に同じことが起きるのだが、2週間で痛みは和らいでいき、さらに4週間ほどで特に気にならなくなった。ただし、動かすと常に音が鳴り、痛みが走るという状態であり、キャッチボールなどはできない。
  今年は2月3日に電気が走ったのであるが、4週間経っても痛みが退かない。それに先立つ数ヵ月前、以前から通っていた病院からは
「治せないからもう来るな」
と言われていた。そこで別の病院の診察を受けることにした。診察を受けると、肩の骨が上腕の骨と当たっており、上腕骨に傷がついているのが根本的な原因であるという。ボディビルダーのように重量を持って挙上動作を頻繁に行う人には、この障害が多いのだそうだ。手術に当たって医師からは
「痛みがひどくないなら手術は見合わせた方が良いのでは」
と言われたが、3年前にも同じことを言われて手術を見合わせている。結果ひどくなっただけだったので、今回は是非お願いすると答えた。かくて、入院、手術と相成ったのである。
  手術前に説明は聞いていたが、事前検査に来るようにとの指示だったので、より詳しい話はその時と思っていたのが間違いだった。検査は検査だけでしまいで診察は無い。当たり前といえば当たり前だが、うかつにもそれに気がつかなかった。そのため、手術後のリハビリのことなどまったく知らないまま入院した。
  利き手の側を手術するので、しばらくは不自由になるだろう。洗髪なんかしばらく自分ではできまい。そう思ったので入院前に頭を丸めることにした。左手でざっと水洗いしておしまいにできるようにしよう。が、理髪師は
「元に戻すことを考えているならやめたほうがいい。前髪は後ろ髪より伸びるのが遅いので、前髪は長めに残した方がいい」
という。そこで剃るのはやめにして丸刈りにした。丸といっても頭頂部から前頭部にかけて長い丸で、その部分はバリカンを入れない。理髪店を出てスーパーに寄った。ガラスに自分の全身像が映ったのを見て思わず
このオヤジ、おっかねえ・・・
剃らなくて良かった。剃っていたら半径4mに近寄れないような凶悪なオヤジが出来ていたことだろう。結果から言うと丸刈りにして正解だった。抜糸するまではやってもらうしかなかったし、ようやく昨日あたりから右手も洗髪に使えるようになったが、それでもなかなか大変である。
  6月5日に入院して12日に手術である。手術前の1週間何をするのかしらん、と思っていたら回診に来た医師が
「検査は外来で済んでますから、もうありません。」
と言う。それで油断して病院の中を遊びまわっていたら、呼び出しがかかってその後金曜日まで検査、診断、説明の連続だった。最初の医師が言う検査とはMRIとかレントゲンとか、手術のための検査は無いという意味だったようだ。その後の検査はどうも研究のための検査(ここは大学病院)やリハビリの基準作りのためのものらしい。何しろ、ほとんど筋力測定や筋電図、筋温測定なのだ。筋力測定はやればやるほど数値が上がっていく。しかも、2倍近くも。要領を覚えるからである。また、常人よりはるかに腕が後ろに曲がる。肩甲骨をコントロールできるからである。そんなこんなで、医師たちを少し面食らわせてしまった。
  土日は基本的に休みである。もちろん、入院病棟には医師が常駐し看護士もいる。でも休みだから回診はインターンだし、検査も手術も無い。閑だから外出しようと思ったが、手術前の週末は体調維持のため外出は許可できないのだそうだ。ところが、入院することでそれまで摂取していたさまざまなサプリメントを止めたためか、体調は低下の一途をたどっている。どうするんだ、一体?