2001年8月19日 ワールドゲームズ感想

  今回は予定を変更して、ワールドゲームズの感想を申し述べます。
  ワールドゲームズでの役割は選手係で、具体的には舞台袖に詰めていました。したがって、ステージはほとんど見ていません。よって、コンテストのレポートはできませんのであくまで一スタッフの感想としてお読みください。また、写真もありません。
  コンテストの進行や組織上のことなどいろいろと言いたいこともあるのですが、それは後にします。なお、ワールドゲームズでは1〜3位が入賞です。各階級7〜9名出場し全員がフリーポーズの後トップ6でポーズダウンを行います。つまり、この段階で1〜3名が振り落とされますが、現実にはフリーポーズが終了する前=プレジャッジの段階でトップ6は決まっていたようです。ポーズダウンが終わると一旦全員が下がってトップ3の発表を舞台裏で待ちます。その後トップ3が呼ばれて表彰式になります。したがって、4〜6位は、誰が4位で誰が5位で誰が6位なのか分かりません。

女子ライト級<52kg
  女子ライト級はエントリー7名。余談ですが、パンフレットでは西本選手と吉良選手が入り繰りして、西本選手がライト級、吉良選手がヘビー級になってました。
  プレジャッジの時、韓国のYoung Soen Jung選手が金色のコスチュームをつけていたため着替えさせられました。
  フリーポーズが終わるとすぐに舞台裏の仕切りのポロック副会長(IFBB Vice President)が韓国のPill Sun Han選手にトップ6に入れなかったのでもういい、と言い渡しました。このクラスでは彼女一人がポーズダウンに参加できません。彼女は舞台裏の隅っこで頭を抱えて座り込んでいました。勝負なのだから仕方が無いとはいえ、かわいそうでした。あまりに長い間彼女がそうしているので、自国の選手のパンプアップを手伝っていたバハマの役員が見かねて肩を叩いて声をかけていました。
  水間選手がトップ3に入り、表彰式に呼ばれました。表彰式は3人が舞台袖に立って待っていて、3位から順番にコールがあり、コールされるとステージに出て行って表彰台に乗ります。水間選手は2位でした。優勝はアメリカのPam Kusar選手で、今回アメリカチーム唯一の金メダルとなりました。
Result
優勝  Pam Kusar : U.S.A.  2位  水間 詠子 : 日本  3位  Sandra Weber : Germany
4〜6位  吉良 明子 : 日本、Young Soen Jung : 韓国、Chua Young : Singapore(ゼッケン順)
7位  Pill Sun Han : 韓国

女子ヘビー級>52kg
  このクラスにはアメリカからのエントリーがなく、ヨーロッパの選手たちが仲良く話しているのが印象的でした。トップ6に入れなかったのはバハマとシンガポールの選手でした。バハマの選手はしばらく座り込んで悔しそうでしたが、シンガポールの選手はさばさばしたもので、ライト級の韓国の選手と好対照でした。西本選手はトップ3には入れませんでした。
  優勝はドイツのCornelia Junker選手でしたが、ドイツチームはお揃いのオレンジ色のTシャツで(不思議なことにギリシアもまったく同じオレンジのTシャツで、背中の国名の文字が違うだけ)、監督というかコーチというか大柄な女性が女子も男子もパンプアップに付き添っていました。
Result
優勝  Cornelia Junker : Germany  2位  Susanne Niederhauser : Austria  
3位  Jana Purdjakova : Slovakia
4〜6位  Michela Grassetto : Italy、Marja Kalvala : Finland、西本 朱希 : 日本(ゼッケン順)
7〜8位  Della Thomas-Bain : Bahamas、Joan Lee Ting : Singapore(ゼッケン順)

男子バンタム級<65kg
  舞台袖でのパンプアップを見ている限り、ブラジルのSantos選手の優位と思われました。Santos選手は顔がかのマイク・マタラッツォに似ています。彼とアメリカのWard選手の争いだと思っていました。私は気付きませんでしたが、ステージを見ていた人によるとWard選手はかなりの短足で、その点どう評価されるかだったそうです。
  日本の選手では津田選手がトップ6に入りましたが、石川選手は入れませんでした。
  トップ3は予想通りの二人とエジプトのAmmawi選手でしたが、結果はAmmawi選手の優勝でした。舞台袖ではまったく目につかなかったので驚きましたが、単に私に見る目がないだけなのでしょう。
Result
優勝  Anwar El Ammawi : Egypt  2位  Jose Carlos Santos : Brazil  3位  Marvin Ward : U.S.A.
4〜6位  津田 宏 : 日本、Cao Quoc Phu : Viet Nam、Kyeong-Mo Park : 韓国(ゼッケン順)
7〜8位  石川 栄一 : 日本、Lionel Williams : Bahamas(ゼッケン順)

男子ライト級<70kg
  プレジャッジの段階で合戸選手が良い感じでした。海外の選手に対して上半身がバルク負けしておらず、仕上がりも素晴らしいものでした。期待していました。優勝争いはスイスのZimmermann選手とアメリカのFarnsworth選手そして合戸選手であろうと思っていました。廣田選手はトップ6に入れませんでした。
  ポーズダウンが終わり、トップ3が呼ばれましたが、合戸選手は入れませんでした。優勝もスロヴァキアのKocis選手で、これも予想外でした。
Result
優勝  Igor Kocis : Slovakia  2位  Rene Zimmermann : Sweitzeland  3位  Derik Farnsworth : U.S.A.
4〜6位  Abdul Halim Haron :Singapore、合戸 孝ニ : 日本、Jong Nam Lim : 韓国(ゼッケン順)
7〜8位  廣田 俊彦 : 日本、Ma Zhitao : 中国(ゼッケン順)

男子ウェルター級<75kg
  このクラスには日本から田代、谷野、近藤の3選手が出場しました。ちょうどこのクラスの時が舞台袖が混雑してめちゃくちゃになるので、私は全然個々の選手のことなど見ていられませんでした。その上、決勝ではちょうどこの時に舞台裏に通路を形成していた低いフェンスに選手の手形がつく(カラーで)ので急遽そこに養生することになり、その作業に忙殺されていました。
  プレジャッジを見ていた人が、優勝はドイツのBecker選手で決まりだが、日本の3選手がかなり良く表彰台に2人ぐらい行きそうだと言っていたので、期待していました。ところが、トップ3が発表されると谷野選手しか入っていませんでした。残念・・・と、思っているとどういうわけか表彰式が始まりません。そうするうちにIFBBのポロック副会長が田代選手の所に、集計が間違っていた、君がトップ3だと呼びにきました。初めにトップ3として呼ばれたスイスのVillena選手には気の毒でしたが、日本から2人表彰台に乗ることになりました。
Result
優勝  Andreas Becker : Germany  2位  谷野 義弘 : 日本  3位  田代 誠 : 日本
4〜6位  Woo-Hyun Noh : 韓国、Mariano Villena : Switzerland、近藤 賢司 : 日本(ゼッケン順)
7〜8位  Patrick Mounier : New Caledonia、Mohamed Bin Muhammad : Singapore(ゼッケン順)

男子ミドル級<80kg
  このクラスの優勝争いはギリシアのMentis選手と凄いバルクを誇るリトアニアのBerkovic選手の間で争われるものと思っていました。プレジャッジの時、ティトが手を拭くタオルを求めてきたので渡すと、きれいな発音の日本語で
「どうも」
と言われました。ティトはプレジャッジでも決勝でも延々とパンプアップを続けていて、やむなく側に行って
“Tito,game time!”
と声をかけましたが、通じたものかどうか。
  山岸選手はトップ3に入れませんでした。プレジャッジでファースト・コールの4人に入っていたので期待していたのですが、残念でした。そして、リトアニアのBerkovic選手もトップ3に入れませんでした。あるいは仕上がりが良くないということだったのか、とにかく意外でした。ティトはトップ3に入ったのが自分でも意外といった面持ちと見受けました。
Result
優勝  Pavlos Mentis : Greece  2位  Jyraj Vrabel : Slovakia  3位  Tito Raymond : U.S.A.
4〜6位  山岸 秀匡 : 日本、Liaw Leong : Malaysia、Semion Berkovic : Lithuaia(ゼッケン順)
7位  Joe Duenas : Guam

男子ヘビー級>80kg
  ミドル級の表彰式がなかなか始まりません。ウェルター級の再現で山岸選手がやっぱりトップ3・・・と思ったのですが、そうではありませんでした。ポール・チュア氏(アジア連盟副会長)がウクライナのProtas選手を呼んで何事が話しています。最初は何なのか分かりませんでしたが、Protas選手は
”No information. I slept in hotel.”
と一生懸命抗弁していますが、ポール・チュア氏は
”No competition.”
と宣告するとミドル級の表彰式に行ってしまいました。その後、ポロック副会長とIFBBの女性役員が激しくやり取りしながらProtas選手の所に来て、Protas選手の抗弁を聞いていました。そこへ表彰式を終えたチュア氏の他数人のIFBB役員もやって来て論争になりました。ドーピング・テストのことで揉めているようです。
  ドーピング・テストはプレジャッジの後指名された選手に対して実施されたようですが、Protas選手は指名されたにもかかわらずテストに来なかったということで、失格を言い渡されているようでした。IFBB役員の中で女性役員が「本当に呼びに行ったのか」と担当のIFBB役員をかなり激しく追及していました。が、結局、呼びに行ったかどうかはともかく「指名されたけどテストを受けなかった」という事実は覆しようもなく、Protas選手はフリー・ポーズを前にして失格になってしまいました。どっちの言い分が正しいのか判断できませんが、気の毒でした。
  ファースト・コールの一人だったProtas選手が失格したことで、優勝はリトアニアのZuras選手とドイツのScheu選手の間で争われることになりました。Zuras選手はバルキーだけどウェストも太い、マーカス・ルールのようなタイプで、そのことをどう評価するかによって勝負の行方が決まりそうです。トップ3の残りの一人はオーストリアのPetautschnig選手で堅そうです。この選手は身長が190cm以上あり、観客の人気No.1でした。
  カナダのGreen選手は仕上がりが悪く、シンガポールのSeong選手も少し落ちるような感じでしたので、Protas選手の失格によって井上選手とスキップ・ラ・コアがトップ6に残れるだろうと思いましたが、その通りになりました。スキップはプレジャッジの時、舞台袖でほとんどパンプアップをしませんでした。あるいは、本人も不本意な仕上がりなのかもしれません。実際、スキップって、この程度だったっけ、と思うような状態でした。
  結局優勝は、バルクを評価されたのでしょう、Zuras選手でした。
Result
優勝  Olegas Zuras : Lithuania  2位  Thomas Scheu : Germany  
3位  Manfred Petautsching : Austria
4〜6位  井上 浩 : 日本、Skip La Cour : U.S.A.、Stefan Havlik : Slovakia(ゼッケン順)
7〜8位  Augustine Lee Seong : Singapore、Winston Green : Canada(ゼッケン順)

  今回はドイツとスロヴァキアの活躍が目立ちました。ドラッグ・フリーの大会ではヨーロッパが優位のようです。(ただし、今回のドーピングの結果は今の時点ではまだ分かりません。)