2001年12月5日 リカバリー(1)

  11月21日朝、いつものように最悪の目覚めの時。右肩に久しぶりに痛みが・・・動かすと音も出る。真っ直ぐ上に腕を挙上したときのターミナル・ペイン(動作の最後の部分での痛み)がある。ちょうど2ヵ月ぐらい前の状態に逆戻りしている。おかしい。前日のトレーニングは脚である。トレーニング中も、帰ってきてからも特に痛みは感じなかった。思い当たることはないが、考えられるのはスクワットでバーを担ぐ位置が低すぎて、肩関節が後に過伸展されたか?
  1週間経って痛みは軽減こそすれ、なくならない。だが、原因を突き止めなければならない。スクワットは、スクワット・ラックは幅が狭くどうしてもグリップの間隔が狭くなって肩関節に負担がかかるので、パワーラックを使うことにした。グリップ幅を広くし、かつ担ぐ位置も高くして肩に負担がかからないように。特に問題は起きない。やっぱりこれが原因なのか?釈然としないままトレーニングを進めていくうちに、スタンディング・カーフ・レイズに進む。ウェイトを積んでいき、今日のMAXの220kg。セットを終了して右肩を回す。痛い。これだ。これが原因だ。
  なぜ、カーフ・レイズで肩が壊れるのか。健康な人ならそんなことは起こらない。しかし、肩にメス(正確には関節鏡)を入れているとそうはいかない。ちょうど骨を削ったあたりにパットがあたって、そこに220kg÷2=110kgのストレスがかかる。傷を圧迫することになるのである。正直、思いも寄らなかった。2ヵ月逆戻り、なら良いのだが、新たに壊してしまったのではないかと心配だ。

  さて、本題のリカバリーである。リハビリが整復なら、トレーニングのレベルを手術前の状態まで戻すことをどう表現するのか?と考えて、勝手に考えたのが「リカバリー」という表現である。適切かどうか、実はあまり自信が無いが、そういう意味です。
  記録によると、手術前の最後のトレーニングは5月15日の脚のトレーニングである。このとき、フロント・スクワットで右ひざを傷めたため、手術も近いことだしトレーニングを中止することにしたのである。7月の半ばに通院したときバイセップスについてはトレーニングしてもよろしいと言われたが、同時に
「(ジムに)行けば他のこともやりたくなるでしょう。行かない方がいいかも。」
と言われ、その通りなので退院の挨拶やワールドゲームズの連絡以外では行かないようにした。
  その間肩のリハビリと平行して、前々からの課題であった握力の強化に取り組むことにして、グリッパーにヘビー・ハンマー・レバレッジ・バー、握力計などをIRONMANの通販で購入した。ひたすら前腕のトレーニングである。
  グリッパーはIVAKOの調整できるやつだが、掌の小さい私は的確に握れるようになるのに時間がかかった。その上、掌に汗をかくのですべるし、しまいに掌が痛くなってくる。でもこれしかやることがないので、1日おきに続けた。ヘビー・ハンマー・レバレッジ・バーはプレートとセットで購入したが、5kg2枚、2.5kg、1.25kgと付いてきたので、なめてかかったらとんでもない。2.5kg1枚で手首がちぎれるかというほどの重さだ。私が弱いからなのだろうが、これに5kgを2枚も付けてやるとなると相当なもんだと思う。これも、1日おきに続けた。
  1ヵ月もすると握力は手術前の水準に戻った。もちろんそれでも全然弱いので、今でもグリッパーは続けている。握力はともかくとして、見た目の変化には驚いた。今まで何をやってもやらなくても、どうにもならなかった前腕がわずかながらバルク・アップしたではないか。弱点部位克服のため他の部分のワーク・アウトを休んで弱点部位を高頻度でトレーニングするといいと言われるが、実際に自分の身体でそれを証明できたのだと思う。後は、休んだ部位がどうなるかだ。