2000年2月26日 不健全だと思っていた

  先日、私の住む地方では名の知れた女子スポーツ指導者が、女子高校生に猥褻行為を働いたとして逮捕された。この指導者は現役の高校教諭であり、ある日本のトップクラスの選手を育てたことで名前が知られるようになったとされている教諭である。
  いざ、スキャンダルが出るとあることないこと噂が飛び交うのは世の常である。この教諭についても以前から教え子に手をつけているという噂があったなどということが、まことしやかに語られている。事実かどうかはわからないが、本人が逮捕容疑を大筋で認めているというから、事実でないにしても常習犯と思われてもいたしかたあるまい。
  私は子供の頃身体が弱くて(体育系の)部活とは縁が無かったのであるが、大人になってからある中学校の女子バスケット部の練習を見る機会がたびたびある。50がらみの中年の男性が自分だけパイプ椅子に座り、ことあるごとに練習を止め全員に直立不動の姿勢を取らせては体育館中にヒステリックな金切り声を響かせている。私は初めて見たとき新手のSMクラブかと思った。こういうのをスポ根という人もいるのだろうが、私にはスポーツも根性も、教育も感じられない。あるのは支配と被支配の関係だけである。
  これは多分に偏見が混じっているのだろうが、以前から一部の女子スポーツにおけるコーチ(あるいは監督)と選手の関係は不健全だと思っていた。どれほどコーチ(監督)が優れていようと、シャカリキになろうと、競技で闘うのは選手である。したがって、選手は自立して判断ができ、自分で決断が下せる者が強いのではないか。なんだかコーチ(監督)、選手双方とも依存しあっているように見えることがある。傍目に不健全だし、そんなんじゃ勝てないだろう。
  “I was gay” と結婚する方がよっぽど健全だと思う。