2000年6月3日  神の国Round2

  失言首相は記者の質問にもちゃんと答えたが、失言はしなかった。もっとも同じ主張をオウムのように繰り返しただけなのだから当たり前といえば当たり前だが。
  そして、予定通り昨日衆議院は解散した。その直前、自民党がまたみっともないことをした。民主党の、民主党の主張によれば、中傷ビラである。
  このビラ、民主党の本質をズバリ言い当てていると思う。その意味では中傷とは言えまい。ただ、同じことがそっくり自民党にも当てはまるといっていい。どちらの党の議員(あるいは候補者)も国会議員になることが目標なのであって、政策はその手段としか思えない。相変わらず自民党は目先の金の配分のことしか言わないし、民主党はアンチ自民党でしかなく、かつての社会党のようだ。この党が政権をとったらおそらく細川連立政権のように官僚の言いなりの政府ができるだろう。
  自民党は、この国が神の国なのか国民の国なのかは重要な問題でなく、選挙の争点は国民の暮らしに関わる政策にすべきだという。本来政策というのは、この国はいかなる国であるべきなのかが根底になければなるまい。それが重要で無いと言うのだから、この党には政策を論じる資格が最初から欠落している。一方で民主党は政府・与党の言ったことの反対のことを言っているに過ぎない。何でも反対党だ。そのくせ、共産党を大嫌いだという。
  今回の選挙の争点は明らかに自公保の連立是か非かである。特に問題なのは公保であろう。公明党=創価学会に国政が牛耳られて良いのか、保守党などという中途半端な連中にバッジをつけさせておくべきなのか。それが争点なのだからどの党が勝つかは問題でない。与党が負けるかが問題なのだ。最低の選挙だ。国民の選択はどの党、どの候補者が良いかでなくて、与党を負かしたいか勝たせたいかだけなのだ。
  日本の選挙も投票率が低ければ不成立という制度にすべきかもしれない。そうでないと、終いに国政も1割自治(全有権者の1割の支持しかない与党の政府)になってしまうゾ。