2000年7月4日  恐怖体験から学んだこと(1)

  今日、コンビニのレジに「平成12年度版 東北怨念地図」という冊子が積まれていた。「お祓い済み」と書いたビニール袋に入っていた。今年も暑くなってきたもんなあ。
  小学校2年生の夏のことである。昼休みに友達と学校のグラウンドの裏山に入った。田舎の小学校なのでグラウンド(陸上競技場)のほかに野球場があり、その後は松林、学校の回りは広大な雑木林で、校庭のほかに中庭×2、裏庭、プール、大駐車場、その上周囲には田んぼあり、沼あり、川ありという環境だった。裏山にはマラソン・コースが設定されていて、マラソン大会となればそこを走らされる。そのうえ、この頃は業間運動と称して、2時間目と3時間目の間の休み時間が15分あり、その休み時間にもグラウンドを走らされたり、縄跳びさせられたりした。
  グラウンドから裏山のマラソン・コースに向かうには、まず砂山を登らなければならない。登りきったところから松林が始まり、獣道のようなマラソン・コースが続いている。コースの右横はえぐられたような地形になっていて、盆地状に落ち込んでいる。そこも松林で、盆地の底には水が溜まっていた。私たちはそこへ降りていった。えぐられたような坂はかなりの急坂で、尻を落して後ろに手をつくようにして皆で降りていったのだが、私は遅れて降りていった。水溜まりはかなり面積があり、深さもありそうだった。水溜まりには葦のようなかなり背の高い植物が群生しており、常に水を湛えている場所であることは間違いなかった。
  傾斜のある水辺にしゃがんで、私たちは無言で水面を見ていた。松林に光を遮られて、水面は黒く静まり返っていた。しばらくすると、誰からともなく黒い水面に何か赤いものが浮いているのを見つけた。楕円形のそれが人間の顔であるのに気づいたそのときっ!

ず  る  り

水辺の傾斜地でバランスを崩した私は、尻餅をついて水面の顔に向かって引きずり込まれるように滑り落ちた。

うわあああっっっっ!!!!

引きずり込まれまいと必死に身体を支える私、悲鳴をあげて逃げ惑う友人たち。
  さあ、幼い柔威樅人の運命や如何に。予想外の結末は次回、必見!