2000年9月2日 Tight rope
道の駅の休憩所にだらしなく寝ている金髪と茶髪がいた。飯を喰って戻ってくると、二人とも起きている。携帯が鳴って、脱ぎ捨ててあった厚底靴に足を突っ込み、がこがこと表に出る。戻ってきてキャーキャー騒ぐ。さっきの飯は最低だった。糞暑い残暑の最中に舌が火傷するほど熱い白米の飯。喰ってるうちにだらだらと汗が出る。喰えば喰うほど不快になる。便所で顔を洗って汗を流し、ハンカチで首筋まで拭く。タイを緩めて畳に横になる。キャーキャー騒いでいる、キャーキャー・・・
暑苦しいんだ、オメェら・・・
ダイエーの5階にはらんらんらんどというゲーセン兼小さな子供の遊び場がある。いつもは閑散としているのに、今日はだらしない金髪、茶髪と偏差値の低い制服着た女子高生が大勢いる。股座の緩んだ顔した制服の腕を掴んで金髪が振り回している。顎に髭を生やしたサングラスが別の制服に声をかけている。連れがいるの分ってるのに、いるかって訊く。
うざったいんだよ、テメェら・・・
背骨の内側から攻撃衝動が湧き上がってきてしょうがない。口の中が唾であふれ返ってくる。リストラ要員にされて、それでも毎日働いて、テメェの会社の若いヒヨッコどもにまでなめられて。でも、かろうじて世の中に悪させずに生きている。失うものもない、誇りもない、夢も、希望も、とっくにどこかに無くしちまった。
残暑のせい?ちがうな。若さが憎い歳になった?それも、ちがう。ガキの専売特許じゃないってことさ、衝動殺人ってのは。俺たちオヤジはな、ストレスの海泳いで生きてるんだ。
ふざけた真似ばかりさらしてやがると、そのうち反撃されるぜ。本気でな。