2000年9月9日  ガメラ

  ガメラを見た。亀井静香氏のことではない。
  SFXが発達してまるでゲームのようだった。光の明滅が激しくて、ポケモンじゃないけど失神しそう。でも、ぜんぜんリアリティーがない。作り物としてのリアリティーがない。「作ってない」からか?
  初代ウルトラマン(私はリアルタイムで見たわけではないが)やミラーマンなどは、子供が見てもセットと分るところで着ぐるみが格闘しているのだが、妙に生々しいリアリティがある。撮影なのだから約束事のスタントだが、それでも格闘の生々しさがある。ハリウッド版ゴジラでもそうだが、人がすぐそばにいる場面ではそれなりに見えるのに、ニューヨークの町を単独で走り回るシーンなどは途端にリアリティーが消滅してして興醒めだった。やっぱり人間はわが身に引き比べてしか認識ができないのか?
  モノクロのゴジラやガメラには怖さがあった。あの時代は今ほど高層ビルもないし、その分主役の大きさが強調されることがあるにしても、巨きさがあった。それに暗かった。田舎にいると暗いということがどういうことかよく分るが、現在の都会を舞台にすると暗い場面が作れない。画面が明るくなって極彩色になり、その上特殊効果に光を使うもんだからキンキラキンの金粉ショーのようなことになる。いっそのこと、最初に発電所を破壊させて真っ暗な設定にしたらどうだろうか?
  それにしてもあのラストはいただけない。オープン・エンドは嫌いじゃないが、あれじゃあ続編の宣伝みたいなもんだ。もの欲しそうで、さもしいぜ。