2005年1月3日 今年もこんな年かよ!

  あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
 昨年はとにかく酷い1年だった。初めてカードローンなるものを使う羽目に陥ったし、会社にはいじめられるは、そのくせ仕事は忙しいは。忘年会では締めの挨拶をしろというから、「今年は最低の年でしたが、それももう終わり。来年はいい年になりますように。乾杯!」などと言ってみたりした。
 年末年始は曜日の関係で4日間の休み、今日で終わり。年末までばたばたして、何がなんだか分からないうちに大晦日恒例「超常現象頂上バトル、嵐の大喧嘩スペシャル」を(そう、恒例は紅白じゃないんだ、我が家は)観ている始末。その上、今年は私の大嫌いなヒゲのデブが肯定派の席に座っている。だから、ピン芸人の番組(ピンばかりでなかったけど)にチャンネル替えてしまった。翌元日は静かにお持ち帰り残業などして、2日に実家を辞して戻ってきた。
 戻ってみると、年越しの洗濯物が山のようにたまっている。冬は100%部屋干しだから、こんなにあると干し場が足りない。そんなときはいつも、洗濯は自宅でやってコインランドリーの乾燥機にかけに行く。コインランドリーで乾燥機を30分の設定にして車に戻り、車の時計を見ると午後7時36分。8時06分にはできていることになる。で、スタンドに行って灯油を買っていったん戻り、それからスーパーに行ってミネラルウォーターを買ってコインランドリーに戻るとちょうど8時05分。終わった頃かと、コインランドリーに入ると、室内がなんか曇っている。水蒸気?ちがう、異臭がする!キョーレツに、異臭がする!こりゃあ、嗅いだことのある臭いだ。ガキの頃、実家の裏でごみ焼きしたときの臭い、そうだ、化繊の焼ける臭いだ!
 慌ててあたりを見渡すが、炎は見えないし、煙が出ている場所もない。でも、この臭いはやばいんじゃないの?あそこに非常通報器のボタンがある。いや、携帯から119か。などと思いながら、室内をうろうろしているうちに、気持ちが悪くなってきた。ああ、これはダメだと思ったから、とりあえず自分の洗濯物を乾燥機から取り出して車に放り込むと、入り口の外から中を覗いたり、あたりをうろうろ、きょろきょろ。誰もいないし、このまま帰ろうかな。帰った後から火が出たり、今回ってるあの乾燥機の中の洗濯物の主が来て中で中毒起こして倒れたりしたら、寝覚めが悪いし。やっぱり、通報しよう。
 携帯から119番通報すると、車に戻って到着を待った。来ないこと、来ないこと。ま、火も出てないし、煙が目に見えるほどもくもくしてるわけでないし。消防指令車が静かにやってくるんだろうと、タカをくくっていたら、なんと、パトカーが3台もサイレンを響かせてやってきた。その後から消防指令車はくるは、ポンプ車は来るは、ガス会社は来るは、新聞社は来るは、そりゃもう、大騒ぎさ。でも、大変なのはそれからだった。
 通報者ということで、私は雨の中に立たされて警察と消防からそれぞれ尋問されるし、新聞記者から野次馬から、次々質問されるし。もう、根掘り葉掘り。「俺は通報者だ。善意でやってるんだ。何で夜の雨の中に立たされて、警察と消防におんなじこと説明しなければならんのだ。第一、消防にはさっき電話で言ったじゃないか。ははあ、さては貴様ら、この俺様が放火したとでも思ってやがるんだな。」
 面倒くさくなったので消防士に「もう帰っていいすか」と聞いたら、警察官に確認しに行って「連絡先聞いてありますから、もう結構です。後で電話することがあるかもしれません。」という。こっちも新年早々呼び出しちまった手前があるので、「ご苦労様でした」と頭を下げて帰ってきた。
 家に帰って自分の洗濯物を広げて、しげしげと確認したが、焦げた後も、溶けた感じもない。ただし、あの臭いはしっかり付いている。これが原因とは思えないが、そのまま箪笥にしまうわけにいかないので、とりあえず臭い抜きのため室内に干した。(結局、今日の朝もう一回洗濯した。洗濯したら臭いは取れた。)そうこうしていると警察から電話がかかってきて、お前が使っていた乾燥機の番号は何番だと訊く。番号なんか知るかあ!真ん中辺のどっかだよ!
 今日になって、地元紙に記事が出ていないところを見ると、大したことなかったようだ。通報は市民の義務と思ってるとえらい目に遭うのだということがよく分かった。2005年は正月早々少しばかり利口にしてもらえたようだ。