セリオン・プラザ
(ビリヤード)
セリオンは秋田港にあります。秋田港は秋田市中心部から国道7号線を北に車で20分ほど行ったところ、土崎地区にあります。当たり前ですが、海辺です。雄物川の河口に作られていますが、昭和初期に運河(秋田運河)を掘って自然にあった河口とは位置がずれています。
セリオンは正式名称を秋田ポートタワーセリオンといい、第三セクターの施設です。経済誌をご覧の方は近頃は何度か目にしたことがあるかもしれませんが、赤字で大問題になっています。結局、秋田市が買い取って公設施設になることで決着しましたが、公設になったからといって黒字になるものでもありません。地元の人でも行ったことのない人が多いぐらいで、私も今回が2回目、タワーに登ったのは初めてでした。1回目は業界旅行の引率をしていて途中トイレ休憩に立ち寄ったのですが、そのとき「絶好のデートスポットなのに、誰もいないのはどうして?」と尋ねられて返答に窮しました。
ポートタワーとセリオン・プラザ、セリオン・リスタの3つの箱からなる施設で、ビリヤードの会場となるのはセリオン・プラザです。三つの施設は屋根のついた渡り廊下でつながっています。
セリオン・プラザ(冒頭の写真の一番右の建物)は多目的ホールと称する体育館やイベント・ホールからなる建物です。この地区の社会体育・社会教育施設という位置付けでしょうか?それなら第三セクターではなく、公設の方がいいと思うのですが。なお、この日は誰も使ってないようでした。
セリオン・リスタ(冒頭の写真の真中の建物)は説明によると延べ床面積2,304u、総工費14億3千万円、「雄物川〜日本海をメインテーマとし、雄物川源流、街、海の3つのゾーンで構成」された「誰でもが季節や天候にかかわりなく緑に親しめる空間」だそうです。要するに規模の小さな植物園ですが、別に珍しい植物があるわけでなく、しかもこの日は開店休業なのか、それとも赤字対策でそうしているのか水が流されていませんので、寒々とした雰囲気でした。これでは叩かれるのも仕方ないですね。
ポートタワーは全高143m、地上に1階、2階があってその上に吹き抜けスペースがあり、3階がセリオン・ギャラリー、4階がスカイラウンジ(要するに軽食・喫茶)、5階が展望室で、展望室は地上100mです。不規則な多角形の断面をしたタワーで、360度パノラマが見れます。
このタワーに登るには大人400円也を支払う必要があります。1階に券の自動販売機があり、その脇で制服を着た女性がモギリをしています。どうせほとんどお客さんがいないのだから、この女性が券を販売した方が良いのではと思うのは私だけでしょうか?その奥にエレベーターがあって、これで登るのですが待ってると結構時間がかかりました。ようやく降りてきてドアが開いてびっくり!えれべいたあがあるさんがいるではありませんか。赤字になるわけだ。よく「百万弗の夜景」と言いますが、正直、ここから見える夜景はせいぜい1万ドルぐらいでしょう。あまりお勧めしません。展望台も狭っ苦しく、ガラスも薄汚れていて、400円払う価値があるかどうか。これではリピーターなど望むべくもありません。
周囲は港ですから西側は南北にずっと日本海、東側に秋田市の市街が広がり、その外側が田圃、そのさらに東が太平山をはじめとする出羽山地です。すぐ足元には製材工場や、秋田臨海鉄道の車両基地などが見えます。秋田は、千葉県でさんざんミソをつけた杉材が特産でしたので、木材業が盛んなのですが、輸入材から合板や集成材を作る工場もあります。臨海鉄道はおもに小坂町や秋田市の非鉄金属製錬所から出る硫酸を秋田港まで運ぶためのものです。古い秋田人は何かというと木材が、鉱山がと言いたがりますが、鉱山は全て閉山し木材は長期低落にあえいでいます。それに、そもそもこうしたものに興味のある人は少ないでしょう。
そんなわけで、観光施設としては小さな地方港に過ぎない秋田港の風景にさえ負けているような有様ですが、フリー・マーケットや中古車市が開かれていて、雨にもかかわらず結構な人手でした。やはり、箱は中身で価値が決まるものだと改めて思いました。交通 秋田駅から秋田中央交通の路線バスが出ています。JRなら土崎駅(奥羽線で秋田駅の北隣)です。駅からは歩いて来れないことはないのですが、結構遠いのでタクシーになるでしょう。
なお、公式サイトでも会場紹介が始まっています。今後も当サイトでは、公式サイトではお日様が西から昇っても掲載できないような情報を掲載していきます。今回も、応援してるんだか貶してるんだか分らないような内容ですが、私は無論ワールドゲームズを応援しています。ただ、宣伝するのではなく、自分の目で見、耳で聞いたありのままの情報を提供します。その方が、秋田のため、ワールドゲームズのためだと思うからです。