直 前 情 報

名産品(食べる)編 Part1

  あと1ヶ月を切りました。入院したりしているうちに取材が追いつかない事態となってしまいました。よって以降は文字ばかりの情報になるかもしれませんが、とりあえずUPしていきます。

  かねてより、秋田の名産品を紹介して欲しいというご要望をいただいておりました。今回は「食べる」について思いつくまま並べていきます。写真はあるものと無いものがあります、というよりほとんどありません。ごめんなさい。
  前にも書いてるかもしれませんが、「食べる」ものは、ワールドゲームズ開催時期はちょうど何も無い時期に当たっています。もちろん、現代は季節なんか関係ないといえばなわけですが。そんなわけで、季節はずれのものが並ぶことになります。

1  岩牡蠣
  青森から新潟にけけての日本海側で取れる牡蠣で、夏が旬になります。
  牡蠣なのに夏が旬と聞いて驚く人がいるかと思いますが、冬が旬になるのはマガキで、広島や三陸で養殖されているのがそれです。通常、牡蠣というとこのマガキのことをいい、英語でRの付かない月には食べるなと言われます。この違いは産卵行動と生息場所の違いによります。
  岩牡蠣もマガキも夏に産卵期を迎え、産卵でグリコーゲンを使い果たすため産卵後は美味しくなくなります。ただ、マガキは一気に産卵するのに対し、岩牡蠣は7〜11月にかけて少しずつ産卵するので夏でも味が落ちません。
  また、マガキは内湾の波打ち際で生息しますが、岩牡蠣は外洋の海底に生息します。したがって、岩牡蠣漁はもぐって取ってくることになり、冬の荒れる日本海では不可能です。そのため、産卵期初めの7月、もっともグリコーゲンの溜まっている時期が旬になります。なお、岩牡蠣はマガキよりかなり大きいです。
  岩牡蠣は海底の岩に群れをなして取り付いていますが、素人に見つけることはできないと言われています。無論、漁師に聞いても教えてくれませんし、勝手に取ったら袋叩きになるでしょう。素もぐりで岩ごと取ってきて、陸に上げてから金槌などで叩いて岩から取り外します。漁獲量は1人1日当たりの個数で制限されていますが、岩ごと取ってくるので制限量を超えることもあります。超過分は自家消費するそうです。なぜなら、牡蠣は自力で動くことはできませんので岩からはずしたのを海に戻しても生きていけないからです。
  秋田では象潟(由利郡、海沿いで山形県との県境)が本場ですが、男鹿や八森(山本郡、青森県境)でも取れます。漁期は7月〜8月ですが、最近は乱獲で7月中にはほぼ獲り尽くし、8月に入ると港のテトラポットにくっついているのを取ってきたりするため味が落ちるそうです。食べ方はいろいろありますが、やはり殻がついたままの生をそのまま食べるのがいいでしょう。すなわち、獲れるところに出向いて食べるものと考えた方がいいと思います(秋田市内でも手に入ります、料亭などでも食べることができます)。

2  じゅんさい
  じゅんさいはジュンサイという植物の芽です。スイレン科の植物で沼に生えており、北海道から九州まで生息しています。これを食用として採取するのは主に東北北海道で、秋田は全生産量の80%以上を生産しています。
  主に山本郡内で田圃から転用したじゅんさい田(沼)で収穫されます。独特の箱舟を浮かべ、一つ一つ芽を摘んでいきます。4〜9月まで収穫されますが、6月ごろまでに収穫されたものを一番芽といって最高の品質であるとされています。
  ぬるぬるしたぬめりに包まれた芽で、それ自体に味はほとんどありません。食感はシャキシャキというかサクサクというか、ぬめりの中にそういう感じがあるのが独特です。さっと湯掻いた後、酢の物にするか吸い物に入れるかして食べます。店頭では袋詰にされて売っています

3  とんぶり
  とんぶりは畑のキャビアなどと称されていますが、何のことはない、「ほうき草」の実です。
  とんぶりは小さなつぶつぶで、歯ごたえがあり、その食感がキャビアに似ているのだそうです(ほんまかいな?)それ自体に味はほとんどありません。そのため、長いもや納豆、大根おろしなどに混ぜて食べます。
  実は、漢方の方では地膚子(じふし)という薬です。利尿作用があり、目の疲れを癒し肝臓の炎症を抑える作用があるとも言われます。また、サポニンが含まれており、血糖値の上昇を抑える作用があることが分っています。薬ですから一度に大量に食べるのは避けた方がいいです。また、一部にアレルギーを起こす人がいるそうです。
  内緒ですが、私の正直な感想を言えば、金を払ってまで食べるほどのものでは・・・

4  ばばへらあいす
  今年の秋田は冷夏になりそうです。そんなわけで、この「ばばへらあいす」の商売も今年はあまり振るわないでしょう。
  この「ばばへらあいす」はyahoo!の秋田県の掲示板なんかにさんざん書き込みがあって、それなりに有名なようですが、正体を明かせばただの氷菓です。金属製の大きな樽に大きなパラソルを立てた移動式販売所で売っています。ありふれたコーンにいかにも合成甘味料なアイスを盛り付けてくれます。通常はいかにも合成着色料な黄色と赤のツートンカラーです。

   「ばばへらあいす」はもともと沖縄が発祥の地らしいです。ただ、かの地では「ばばへら」とは言いません。なんでも「ぎゃるあいす」などと言うそうです。秋田でもバブルの頃は「ぎゃるへらあいす」もあったそうですが、バブルが木っ端微塵に消し飛んで、「小泉不況」眼前に迫る今日この頃では、もっぱら「ばばへらあいす」です。しかし、ひょっとしたらワールドゲームズでは幻の「ぎゃるへらあいす」が短期間だけ復活するかもしれません。
  この季節に秋田県内を車で旅行すると、最低1時間に2回は移動式販売所に出くわします。もちろん、イベント会場には必ず出現します。南秋田郡内に業者があり、朝移動式販売所を積んだバンが売り子ごと販売所を運んできて、日の入りのころ回収に来ます。長らく購入したことがないので、現在の相場がいくらか分りませんが、150円か200円でしょう。盛り付けを多くしてくれと頼むと、多くしてくれます。なぜなら、売り子たちの日当はコーンの数で決まるので、盛りの大小は関係ないからです。ただし、「ダブル」などという専門用語は理解してもらえません。また、間違っても売り子の彼女たちに「ばばへら」などと言ってはいけません。機嫌を損ねて盛りが小さくなること請け合いです。

つづく