ツツガムシ病について
ツツガムシはダニの一種で、孵化した幼ダニが脊椎動物に寄生してリンパ液を吸います。幼ダニは体長約0.2mm、親になると約1mmになります。体内にツツガムシリケッチアがいるものがいて、これに寄生されるとツツガムシ病になります。以前は川原にいるものと決まっていたのですが、最近では畑などで農作業をしていて刺される人が増えています。
ツツガムシ病を媒介するのはフトゲツツガムシ、アカツツガムシ、タテツツガムシなどですが、秋田ではフトゲツツガムシが多いようです。
刺されると10日ほどの潜伏期間の後、高熱(40度をこえる)、発疹、倦怠感などの症状があらわれます。治療法が確立されているので、早期に診断がつけばさほど恐ろしい病気ではありません。ただし、放置すると肝臓や腎臓が機能障害を起こしたり、肺炎や脳炎などで落命する危険があり、最近では平成8年、平成11年に死者が出ています。
ツツガムシ病は東南アジア、日本、南太平洋諸島で発生する病気です。日本では、最近では全国で発生しているそうですが、以前は秋田、山形、新潟の河川流域に発生する風土病でした。そのため、秋田県内では一両日中には診断がつく検疫体制ができているそうです。ただ、今でもこれ以外の地域では医師の診断が遅れる可能性があります。診断が遅れると上記のように命取りになることがあります。
刺される個所はわき腹や足が多く、野外でその場で刺されるのではなく、衣服に付着してきたものに帰ってから刺されるケースが多いようです。よって、予防法は
1 野外から帰宅した場合は、着衣を屋内に持ち帰らない
2 入浴して、身体に付着している可能性のあるツツガムシを洗い落とす
であると言われています。県外から旅行で見えられた方で、帰ってから上記のような症状が出たら、一応疑ってみる必要があります。症状は風邪に似ていると言われますが、風邪の治療では治りません。決定的にちがうのは刺された跡があることだそうです(刺された跡を私は見たことがないので、どういう状態なのかわかりませんが)。医師の診察を受けるときもその旨告げてみた方がいいでしょう(秋田へ旅行したこと、虫に刺された跡があること、ツツガムシ病かもしれないこと)。
繰り返しますが、治療法が確立されているので診断がつけばさほど恐ろしい病気ではありません。
また、観光地やイベント会場などでは駆除が行われますので心配ありません。